会社が事業を営むにあたっては、取引先の倒産、商品の不具合、一方的な取引の中止、商品の広告表示、顧客からのクレーム等様々なリスクがあり、リスクの中には経営に大きなインパクトを与えるものも少なくありません。しかし、案外リスクは軽視されたり、見落とされがちで、十分な対応がとられていないケースも多いのが実状です。

例えば、契約書を作成しないという会社があります。なぜ、契約書を作成しないのか尋ねると、 「うちの業界ではそういう習慣がないから」とか 「必要だとは思うが、営業に嫌がられる」 等の回答が返ってきます。みなさん共通しているのは、これまで契約書がないことによってトラブルが生じたことがない、と言われることです。
しかし、商取引を行う中で、例えば、取引先の倒産、商品の不具合、一方的な取引の中止等のトラブルが生じる可能性があることはむしろ当然のことであり、そのような場合に契約書すらなければ会社が不利な局面に陥ってしまうことは、容易に想像が付くのではないでしょうか。
技術や経営環境は急速なスピードで変化しており、「これまで問題がなかったから」という理由だけで安心するわけにはいきません。
むしろ、深刻な不況が長引き、厳しい経営環境が続いている状況の中で、これからは潜在的なリスクが顕在化するケースは増加する一方ではないかと思います。 そして、例えば、売掛金が100万円回収できなくなったと仮定して、この未回収分をカバーするためには果たしてどのくらいの売上を上げなければならないかを具体的に考えると、リスク管理の重要性が実感できるのではないかと思います。

しかしながら、「リスクを考えるのは後ろ向きだ」というイメージがあるからか、案外リスクは見落とされたり、軽視されがちです。
もちろん、取引をする以上何らかのリスクが生じることは避けられませんが、果たしてどのようなリスクがあるのかや、リスクはどの程度なのか、またリスクを低くするためにはどのような方法が考えられるのか等は予め十分に検討しておく必要があります。
リスクは、取引先の倒産、商品の不具合、一方的な取引の中止、商品の広告表示、顧客からのクレーム等様々な内容が考えられます。 また、労務管理をきちんとしていない会社では、未払い残業代の請求が相次ぐ等のリスクも考えられます。
実際に問題が生じて初めて相談に来られた経営者の方から、「契約書を作成しておけば、少しでも回収できたのに・・」「クレームが来た初期にきちんと対応しておけば、こんなにこじれなかったのに・・」等の声を聞くことも少なくありません。 このようなリスク管理にあたってのご相談や調査検討も、不二法律事務所の主な業務の一つです。
医療機関様が直面する法律問題というと,医療事故をイメージされる方が多いかもしれません。もちろん,医療事故は,慎重な事実確認,検討,対応が必要となるとても重要な法律問題であり,弁護士が医療機関に法的アドバイスをしたり,代理人として交渉を担当することは少なくありません。
しかし,医療機関様から日常的にご相談をお受けするのは,むしろ医療事故以外のご相談,例えば,診療報酬の未払い,些細な出来事をとらえて高圧的な態度で根拠のない要求を繰り返す悪質クレーム,セクハラやパワハラ・解雇等の職員とのトラブル,カルテ開示などの問題です。近年は,このようなトラブルを未然に防止するための取組みや内部通報制度の構築などについてのご相談を受けることも増えています。
社会が医療機関に求める(あるいは期待する)コンプライアンスはますます高まっており,医療機関が直面する法律問題は多様化していると思います。
たとえ,これまで特にトラブルなく経営をしてこられた医療機関であっても,リスクとなるような要素はないか,これまでのやり方はコンプライアンスの観点から見て十分かなどを定期的にチェックし,問題があれば速やかに見直しをしてくいくことが求められていると思います。
当事務所は,このような医療機関様への法的サポートも取り扱っています。
関心がおありの方はお気軽にご相談ください。
関連Q&A
学校で起きる法律問題と言われても思いつかない方もおられるかもしれません。
しかし,学校でも,例えば生徒間のトラブル,セクハラやパワハラ・解雇等の職員とのトラブル,悪質クレームなどの法的問題が発生しており,弁護士が法的アドバイスをしたり,代理人として交渉を担当することは少なくありません。
学校でのトラブルは,教育的観点からのアプローチが欠かせないことも多いですが,他方で,法律問題である以上,法的観点からの調査,検討も必要で,法的観点を軽視した対応をしてしまうと,紛争がいたずらに拡大してしまうおそれがあります。
弁護士が相談を受けたり対応する学校を巡る法律問題の内,裁判案件はむしろ限定的で,その多くは裁判まで至らない日常的な問題です。
教育を巡る社会的な環境は大きく変化をしてきており,また社会が学校に求める(あるいは期待する)コンプライアンスも高まっています。この意味で,学校が直面する法律問題は多様化していると思います。
例え,これまで特にトラブルなく経営をしてこられた学校法人であっても,リスクとなるような要素はないか,これまでのやり方はコンプライアンスの観点から見て十分かなどを定期的にチェックし,問題があれば速やかに見直しをしてくいくことが求められていると思います。
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事業を行っている以上,企業規模の大小を問わず,様々な面で法的な知識,判断が必要となります。以下に,当事務所が日常的に企業様からご相談を受けている内容を挙げていますが,従業員との関係,取引先・顧客との関係等案外と身近に起こりうる問題ではないでしょうか。
このような法的な問題について,誤った判断,対応をしてしまうと,後日会社が思わぬリスクを負うことになったり,問題が拡大して解決に大変な労力や時間を要することになりかねません。
しかし,中小企業では,必ずしも十分な法務部門を備えておられないこともあり,「理由はわからないが,前例と同じ対応しておけばいいだろう」「よくわからないので,特に対応せず様子を見ておけばいいだろう」等と法的な観点からの十分な検討をしないまま何となく対応をされているケースも少なくないようです。
これまで特にトラブルなく経営をしてこられた会社であっても,リスクとなるような要素はないか,これまでのやり方はコンプライアンスの観点から見て十分かなどを定期的にチェックし,問題があれば速やかに見直しをしてくいくことが求められていると思います。
当事務所は,このような中小企業様への法的サポートも取り扱っています。
関心がおありの方はお気軽にご相談ください。
相談の例)
1 従業員との関係・・①問題のある従業員を解雇したところ,解雇は無効との内容証明が送られきた,②従業員からサービス残業をしていたので未払いの残業代を支払うよう請求された,③従業員から,上司からパワハラやセクハラを受けたの訴えがあった等
2 取引先・顧客との関係・・①取引先から契約書を送られてきたが,なにをどのようにチェックすればいいかわからない,②根拠がなく断っているのに執拗に一方的な請求を繰り返され,対応に困っている,③売掛金を支払ってくれない等
3 事業承継の関係・・円滑に次世代に事業を引き継がせたいが方法がわからない等
企業 からよくある相談・依頼事項(株式会社、有限会社、事業共同組合、個人事業者など)
関係事項 |
弁護士が関与する分野 |
弁護士の主な関与業務 |
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設立 |
法人設立 |
株式会社・有限会社等の設立手続(関係専門職への紹介・協同作業を含む) |
経営問題 |
経営方針 |
助言・指導 |
株主総会、取締役会、監査役会、帳簿閲覧請求 |
助言・指導、出席立会、法的手続の代理 |
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取締役・監査役の選任・解任、損害賠償(代表訴訟、第三者責任)など |
助言・指導、調停・裁判などの代理 |
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非公開株の譲渡請求に対する会社側対応 |
助言・指導、株価決定手続等の代理 |
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株式、株式公開、社債、増減資、自己株式 |
助言・指導、各種プロジェクトの策定・実行(必要により関係専門職との協同) |
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従業員持株会、ストックオプション |
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事業承継対策 |
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持株会社設立 |
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農業法人(農事組合法人・有限会社) |
設立、運営などに関する助言・指導、法的手続代理(必要により関係専門職との協同) |
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水産業関係 |
漁業法、水産業協同組合法や組合の運営などに関する助言・指導、各種手続代理 |
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取引関係 |
各種(商)取引 |
販売契約、代理店契約、FC契約、請負契約、工事契約、JV契約、ライセンス契約、テナント契約、アウトソーシング契約、派遣社員契約、リース契約、秘密保持契約等々の、助言・指導、交渉、契約書作成など |
開発契約 |
土地開発契約、技術開発契約などの助言・指導、契約書作成など |
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不動産売買・賃貸借 |
※不動産取引(売買・賃貸借)については、「個人からの相談」の欄をご参照ください。 |
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海外取引・進出 |
助言・指導、契約書等のチェック、渉外事務所・関係専門職の紹介・協同 |
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不正競争防止法、独占禁止法 |
不正競争、不公正な取引等に関する助言・指導 |
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各種取引を巡るトラブル |
助言・指導、交渉・調停・裁判などの代理 |
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知的所有権・営業秘密 |
知的所有権の管理・保全・侵害からの救済 |
特許・商標・実用新案の申請(特許事務所の紹介)・管理、ライセンス契約、プログラム等著作権の管理、権利侵害に対する対抗・救済処置などの助言・指導、交渉・調停・裁判・仮処分などの代理 |
商標・サービスマークの不正使用への対抗 |
不正競争防止法などによる差止・損害賠償請求、仮処分 |
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ノウハウ・営業秘密の防衛 |
社内規定の整備、就業規則、秘密保持契約、競業避止契約によるノウハウ・知的所有権の社外流出の予防に関する助言・指導、諸規約等の作成など |
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債権の保全・回収 |
担保の取得 |
抵当権、保証人、(集合物)譲渡担保、(集合)債権譲渡担保、知的所有権その他の特殊担保の取得に関する助言・指導、契約書作成、交渉の代理など |
請求(任意手続) |
助言・指導、内容証明郵便・交渉・公正証書・即決和解などの代理 |
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請求(法的手続) |
訴訟・調停・支払督促・手形訴訟などの助言・指導、代理 |
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保全処分 |
資産の仮差押・仮処分、販売商品・自動車などの引き揚げ保全措置、時効の管理・時効中断措置の助言・指導、代理 |
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取引先倒産時の緊急保全措置 |
取引先の倒産や民事再生・破産申立などの場合の、商品引き揚げ、債権届出、債権譲渡、その他の措置についての助言・指導、代理 |
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強制執行など |
強制執行(不動産競売、債権差押、動産執行など)、任意売却、保証人への請求などの助言・指導、交渉・法的手続の代理 |
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公示催告・除権決定 |
手形・小切手、株券を紛失したときの法的手続の代理 |
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社員研修 |
営業職、総務・管理部門職員などに対する債権管理等の研修企画と講師派遣 |
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顧客とのトラブル |
クレーム、損害賠償(PL責任、契約トラブル、工事瑕疵) |
製品、工事、契約等に関するクレームの助言・指導、交渉・調停・裁判などの代理 |
近隣問題 |
工事クレーム、騒音問題 |
助言・指導、交渉・調停・裁判などの代理 |
雇用関係 |
社内規定・契約等の整備 |
就業規則、秘密管理規定、身元保証契約など社内規定の検討・整備に関する助言・指導、規定・契約書などの作成 |
労務管理・労働組合交渉 |
雇用契約、契約社員、派遣社員、組合団体交渉、労働委員会救済申立案件、懲戒・解雇の紛議、人員整理、労災事故(損害賠償)などに関する助言・指導、交渉・調停・労働審判・裁判などの代理 |
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従業員研修 |
コンプライアンス、消費者問題、セクハラ問題など、適宜のテーマによる研修企画と講師の派遣 |
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福利厚生(法律相談) |
従業員の個人的法律問題に対する助言・指導(多重債務、離婚等) |
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事業提携・再編 |
M&A(合併・営業譲渡・株式取得) |
助言・指導、交渉の代理、相手会社の法的チェック、契約書作成、プロジェクトの策定・実行(必要により関係専門職との協同) |
合弁、企業提携 |
合弁会社設立、資本参加、経営委任、業務提携などの助言・指導、交渉、契約書作成など |
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会社分割 |
助言・指導、プロジェクトの策定・実行(必要により関係専門職との協同) |
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リストラ |
人員整理、設備整理等に関する助言・指導、法的手続の支援など(必要により関係専門職・関係団体との協同) |
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再建・整理・清算 |
民事再生申立 |
実情に応じた再建または整理・清算手続の検討・選択、可及的速やかな申立、これら申立に先立つ保全措置の申立などの助言・指導、代理(必要により関係専門職との協同) |
会社更生申立 |
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破産申立 |
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特定調停申立 |
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解散・整理、特別清算 |
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任意整理 |
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不動産その他資産の売却 |
公益法人 からよくある相談・依頼事項(財団法人、社団法人、医療法人、社会福祉法人、学校法人、NPOなど)
関係事項 |
弁護士が関与する分野 |
弁護士の主な関与業務 |
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法人の設立 |
財団法人、社団法人、NPOその他各種公益法人の設立、寄附行為行為など |
助言・指導、設立手続(関係専門職への紹介・協同作業を含む) |
法人の運営 |
理事会・社員総会などの運営 |
助言・指導、出席立会、議事録など作成 |
顧客とのトラブル |
医療事故、学校事故、偏執的苦情・業務妨害、カルテ開示・医療照会、証拠保全など |
助言・指導、交渉・調停・裁判などの法的手続の代理 |
施設管理 |
施設事故による損害賠償請求 |
助言・指導、交渉・調停・裁判などの法的手続の代理 |
取引関係 |
用地取得契約、工事契約、諸取引契約 |
助言・指導、契約書のチェック・作成、紛議に関する交渉・調停・裁判などの代理 |
近隣問題 |
境界問題、騒音問題 |
助言・指導、紛議に関する交渉・調停・裁判などの代理 |
雇用関係 |
社内規定の整備、運用の徹底 |
就業規則、秘密管理、身元保証契約、マイカー管理の整備に関する助言・指導、規定等の作成 |
労務管理・労働組合交渉 |
雇用契約、労働組合対策、不正事案に関する懲戒・解雇、人員整理(解雇)、労災事故(損害賠償)などに関する助言・指導、交渉・調停・労働審判・裁判などの代理 |
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従業員研修 |
多重債務、消費者問題、セクハラ問題、営業秘密管理、個人情報保護、人事労務など、適宜のテーマによる研修企画と講師の派遣 |
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福利厚生(法律相談) |
職員が抱える個人的法律問題への助言・指導 |
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その他 |
※土地建物・金銭・債権保全その他については、企業・個人の関係各欄をご参照下さい。 |
地方公共団体、官庁、一部事務組合、公社・公団・第三セクター からよくある相談・依頼事項
関係事項 |
弁護士が関与する分野 |
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行政事務全般 |
行政行為、行政指導、行政契約(入札・随意契約ほか)、用地取得・開発、代執行、滞納処分、住民監査請求などに関する法的諸問題 |
助言・指導、法律・判例の調査、法律鑑定、契約書等のチェック |
条例・規則 |
条例・規則の制定 |
助言・指導、法律・判例の調査 |
公社・公団等第三セクター |
事業導入、会社等設立、事業運営、各種取引、その他法人運営全般に関わる法的諸問題、整理・清算など |
助言・指導、株式会社等の設立手続(関係専門職との協同作業を含む)、各種取引契約書・関係書類等の作成、交渉・法的手続の代理 |
行政訴訟 |
行政事件訴訟(各種取消訴訟、住民訴訟など) |
訴訟代理 |
損害賠償・損失補償 |
道路事故、河川事故、橋梁事故、学校事故、公園事故、その他営造物管理責任に基づく国家賠償、各種損失補償 |
助言・指導、法律・判例の調査、法律鑑定、訴訟代理 |
民事訴訟・調停 |
境界紛争、所有権確認、契約に関する紛議による民事訴訟・調停等 |
助言・指導、法律・判例の調査、法律鑑定、訴訟代理 |
情報公開・個人情報保護 |
条例(基準)の解釈・適用など具体的事案における運用 |
助言・指導、法律・判例の調査 |
研修等 |
職員研修、地域教育 |
各種の職員・住民研修会への講師派遣(多重債務、消費者問題、DV、セクハラ、離婚、相続など) |
