診察の待ち時間が長いとか,いつもとは違う薬を処方されたが薬の説明がなかったなどとしつこく苦情を言ってくる患者がいて困っています。どのように対応したらよいでしょうか。

  患者は,病院に来る時点で既に心身に不安を抱えているのですから,まずは,患者の苦情を,先入観を持たずによく聞いてあげる必要があります。誠意をもって患者の言い分をよく聞いてあげるだけで,不安や不満が解消され,かえって病院に対する信頼を得られる場合も多いと思います。
そして,その苦情に合理的な理由がある場合には,不快な思いをさせたことを謝罪し,患者が求めている不安や不満を解消するために何らかの対応が必要なのか検討することになります。
これに対して,合理的な理由がなかったり,一応の理由があっても,要求内容が過大であったり,理不尽である場合は,悪質クレームとして,毅然とした対応をとる必要があります。 苦情の内容は様々であり,正当なクレームと悪質クレームを見極めるのが難しい場合もありますし,苦情対応が不適切だと,かえって問題を大きくすることにもなりかねませんので,病院内に相談窓口を設置したり,苦情対応マニュアルを整備するなどして,日頃から苦情に対応するための体制を整えておくことが有用です。
また,余りに執拗なクレームや粗暴な言動を伴うクレームは業務妨害的な色彩も帯び,弁護士が代理人として交渉したり,法的措置を検討する必要がありますので,弁護士にご相談頂ければと思います。