弁護士中山の「私の一冊」

スコットランドゴルフ紀行(1) (2010.11.08)

番外編

 

  2009年夏,人生50年の節目に,人に言えば羨ましいというよりは,あきれられるようなゴルフ旅行をしました。行先は聖地セントアンドリュースを含むスコットランド地方,10日間。ふと,写真はたくさん残っていますが,記録を全く取っていないことに気づきました。そこで,紀行文として書いてみることにしました。そういうことなので,どうせ誰も読んではくれていないのでしょうが,今回「私の一冊」はお休みです。ご容赦くださいませ。  

オールドコースに日が昇る

  同行者は,椛ちゃん,作どん,よっちゃん,私の中年同業者仲間4人組(椛ちゃんを除いた3人は,その昔,三バカといわれていました)です。ゴルフのハンデは,17から25でみんなへたくその部類です。ツアーの企画は,英語が出来そうなよっちゃん任せでした。彼は,半年以上も前から英文のメールで現地のゴルフ業者と悪戦苦闘して,スコットランドのゴルフ場と宿泊先,レンタカーの予約に成功。飛行機とロンドンでの宿泊先は,私の知人の旅行業者に任せて普通に予約確保。あとは地図があるだけの,無謀にも程がある全くの白紙でした。予約段階では,ゴルフプレーは体力勝負の6ラウンドです。さてはじまりです。

機内にて(筆者以外の三人)

  初日7月3日(金),朝6時過ぎに福岡空港に全員集合。各自,ゴルフのキャディバックに,あらかじめ決めていた1人1個の旅行鞄若しくはスーツケースだけ持参,のはず。スコットランドでの移動方法は,4人1台のレンタカーとなるため,車のキャパを考えれば,携行品は最小限に抑えなければならないのです。ここで,椛ちゃんがいきなりレッドカードです。なんと特大のスーツケースだけでも問題なのに,これに加え手提げバックまで携行しているではないですか。氏曰く,「嫁さんに言って新品の猿股とシャツを9枚ずつ持って来た」・・・唖然。まあなんとかなるやろ,と荷物を預け福岡発7時10分のJALで出発,成田着8時55分。出国手続を経た4人は意気揚々として,成田のBA(ブリティッシュ・エアー)ラウンジで早速乾杯,飲み放題食べ放題。たらふく満足のほろ酔い気分で写真撮影。成田発10時55分BAでいざロンドン・ヒースローへ向けてテイクオフ。むろん,直行便です。たぶん一生に一度の最後の贅沢旅行,思いっきり奮発して4人の席は,ジャンボジェット前方中央のビジネスクラス。高所恐怖症気味で飛行機が苦手な私は,外の景色を全く目にすることもなく一安心でした。約13時間の飛行時間。ひたすら呑んで食べて映画見て,本(村上春樹の「1Q84」book1・2)を読んで過ごしました。もちろん綺麗な日本人CAに話しかけることも忘れずに。定時の機内食のサービスの他,ビジネスには専用のコーナーがあって,そこに行けばアルコールを含む飲物やつまみ,軽食が常備されているのです。また,シートは電動でフルフラットに可動,ちょっとしたカプセルホテルのベッドの様な感じで眠ることが出来ました。まさに,そこが飛行機の中であることを忘れさせてくれるのです。

   ロンドン時間で当日14時50分,ヒースロー空港着です。ちなみに日本を基準にイギリスは時差マイナス9時間です。だから日本時間では既に夜中の23時50分ということになります。ここでトランジットです。イングランドのヒースローから国内線に乗り換えてスコットランドのエジンバラへ飛ぶのです。乗り換えの待ち時間が2時間半もあり,空港で早くもフィッシュ&チップスとビールで乾杯です。イギリスのファストフードといえばこれ,フィッシュ&チップスです。フィッシュは10~15㎝くらいあるタラの白身(骨なし)を熱々に揚げて,レモンを搾ってタルタルソースかモルトビネガー(日本でいう酢醤油みたいなの)をつけて食べるのです。これが旨い!チップスはじゃがいもですが,ポテトチップスのような薄切りではなく,某ハンバーガーショップのフライドポテトのようなスティック状でもなく,林檎の4分の1切りならぬ16分の1切り状で揚げてあるのです。もちろん,好みでケチャップにつけて食べます。私はこれが止められず,現地滞在中,毎日のように食べました。さて,トランジットの17時25分になり,今日3回目のテイクオフ。エジンバラ着,すなわちスコットランドへの到着は18時50分でした。エジンバラは生憎の小雨模様です。入国手続を済ませ,4人大荷物を持って,エジンバラ空港に隣接するレンタカー会社へ歩きます。よっちゃんと2人レンタカーを確保したところ,ここで些細な問題発生。車はワーゲンのワゴン車でしたが,やはりカーナビは付いていないのです。空港から今夜の宿となるセントアンドリュースまでは,よっちゃんの計算によれば,車で順調に行けば90分の距離だそうです。現地ではまだ夜の8時前ですが,実はこの時間,日本では翌朝の5時なのです。飛行機で睡眠を取ってはいても,既に福岡の自宅を出て24時間近くが経過していました。当然のように,疲労を感じる時間帯でした。レッドカードの椛ちゃんにぼやきながら,車に荷物をぎゅうぎゅうに詰めて,いざ出発です。メインドライバーは私,サブとしてよっちゃん。ともに,旅行前に福岡県公安委員会を訪れて国外運転免許証を携行しています。さらに,ご存じかどうかは知りませんが,有り難いことにイギリスの道路では,車は日本と同じ左側通行です。でもやっかいなのは,交差点におなじみの信号機の設置は多くなくて,代わりにターンアバウトといって,丸いロータリーがあってそこをくるくる回りながら目的の方向へ曲がっていかなければならないのです。もちろん,賢明な私は,事前にネットで入手したシュミレーションを使ってターンアバウトの走行方法についてマスターしたつもりでした。サブのよっちゃんがナビをかねて,当然といえば当然ですが,英語で記載された地図を片手に進行方向を指示します。市街地だけではなくてフリーウェイ(通行料金なし)も走行します。順調に走行して,「急ぐときはタクシーより中ちゃんに」と言われる私は,日本と同じようにそこら中の車を蹴散らして高速走行して行きました。車から見た社外の風景は,市街地は特に驚きはありませんが,郊外に行くと遠くに城の見える風景はまさに中世です。田園風景は私の数少ない旅行経験では北海道のそれに似ているような雰囲気でした。

宿泊先BB

  よっちゃんに大きなミスリードはなく,日がかろうじて明るい22時過ぎ,目的のセントアンドリュースの地「The Ogstons on North Street」に到着です。そうです,夜の10時でも明るい白夜なんです。白夜とは読んで字のごとく明るい夜のことです。地球の公転面の垂線に対して,地軸が傾いていることから南極や北極に近い地方で起こるものですが,北欧であるイギリスにおいても,この影響で夏は夜10時過ぎから暗くなり始め,朝は4時頃には明るくなってしまうのです。さすがに,運ちゃんの私はくたくたです。宿泊先のバーで,ビールと軽食を摂って就寝することになりました。宿泊先は,B&B(ベット&ブレックファーストの略,ベットと朝食を提供してくれる民宿)の高級版でした。4人は,二部屋に別れました。私とよっちゃんの部屋は,そこそこ大きな二つのベッドがあるベッドルームが一つとリビングが一つに,バスタブの付いた浴室にトイレがありました。ふたりには十分の広さでした。翌朝は,いよいよセントアンドリュースのジュビリーコースで10時24分スタートのラウンドを控えています。眠りに落ちたのは,たぶん11時半頃ではなかったでしょうか(つづく)。

BAラウンジにて(左が筆者)

過去のコラム

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(89)  池井戸ファンにおススメの一冊です。
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(88)  生まれ変わりを信じますか。
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(87)  アル・カポネ,ジョン・デリンジャーといえば?
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(84)  NHKさん、シュンスケを大河ドラマの主役にしてください
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(83)  純な気持ちでお読みください。
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(81)  家康は僻地江戸をどのように建設したのでしょうか
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(80)  ランニングシューズ業界を覗いてみましょう
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(79)  ピアノの調律師って?
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(78)  人はなぜ山に登るのか
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(77)  ガラ携って何?
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(76)  尖閣問題について考えてみましょう。
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(75)  宗教にはまったことはありますか。
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(74)  中国にもつい100年前まで皇帝がいました。
「浅田次郎 蒼穹の昴 講談社」 (2016.1.26)

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(72)  どうして山に登るのか
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(71)  お互い愛情もない夫婦、そんな中、相手を突然亡くしたら・・・
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(68)  突然、あなたの秘密が本で暴かれたら?
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(67)  ダビィンチには謎がいっぱい
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(66)  戦後の台湾をもっと知ってみたい
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(65)  産業スパイって本当にいるんですよね。
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(64)  ライオンさん、一度でも帰国していれば・・・
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(63)  それでも3億円が当たってみたい。
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(55) 時をかける手紙
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(52) 海外で亡くなった人はどのようにして帰国するのでしょうか
「エンジェルフライト 国際霊柩送還士 佐々涼子 集英社」 (2013.11.13)

(51) 倍返しと土下座で著名な半沢直樹の続編です。
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