弁護士中山の「私の一冊」

スコットランドゴルフ紀行(7) (2010.12.20)

番外編

グレンイーグルスの朝

 

  7月9日(木)7日目,午前5時,早起きしてよっちゃんと朝食前のお散歩です。この時間,グレンイーグルスの夜が明けていき,なんとも綺麗な朝焼けでした。ホテルの周囲に拡がる緑溢れる庭園を歩き,ここの広大さに驚きです。犬の訓練施設までありました。十分に1時間くらい歩いた後,リッチな朝食です。といっても,これまでよりも種類が豊富なイングリッシュブレックファーストに違いありません。部屋に戻って,荷物をまとめてチェックアウトの準備をします。邪魔な荷物はとりあえずクロークに預けます。これから伝統あるKing Course午前08時50分スタートです。スタートハウス前に集合すると,今日も昨日のキャディさんと同じです。今日が最後のラウンド,元気に7ラウンド目です。ここで,弱気なオヤジたちの誰かから(たぶん私?),「最後くらい気持ちよく回りたいものだ,使用するティグランドを昨日までのイエローティ(レギュラーティ)から,距離が短くなるグリーンティ(フロントティ)に変更しよう」との提案がなされました。もちろん,一同異議なく承認。そうして,イエローのティグランドでスタートの準備していたキャディさんに対し,作どんから英語で「今日のティはグリーンを使用したい」と告げると,彼らのひとりが「That's good idea」と思い切り微笑んでくれました。おわかりかと思いますが,昨日,オヤジ4人それぞれのボールの行方を探すのに疲れ,その実力を思い知っていた彼らは,私たちの提案を心から歓迎してくれたのです。にも拘わらず,私はアウトコースではロストを重ね,キャディさんの負担を軽減することもできずに,7とか8とか9とか叩き,ハーフ54となりました。しかし,後半のインに入り,ティ変更の効果覿面で爆発,パーを5つにバーディー1つをとって,ハーフ40と気持ちよく回れました。計94でしたが,そこそこの難コースにあって,まずまずとしなければなりません。作どん,よっちゃんもともに90台,椛ちゃんは,16番ショートで深いバンカーに入れて,バンカーからの脱出に一杯叩いて,「もう疲れた」との弱音が出るほどで,このホール大叩きの14打が響き,スコアは人には言われないmany manyでした。ところで,ホールアウトした後,作どんが「中山君のハーフ40はおかしい」と言い出しました。数え間違いであるはずはないのですが,それでもスコアカードをじっと眺めていたら,なんと今日私たちが使用したグリーンティは,実はレディースティであることが判明したのです。グリーンティの前には,さらにレッドティがあったので,私は,レッドがレディースティだと勘違いしていたのですが,レディースティは2つあったのでした。グリーンティからはそれでも5873ヤード,レディースではパー75とされています。私のパーやらバーディやらはパー75に基づいていたのです。仕方なくこれをメンズのイエローティと同じパーの数に修正すると,パーは68となり,ロングホールはなかったことになりました。そうすると,私のバーディは単なるパーとなり,5つのパーの内3つはボギーとなりました。それでも40というスコアは変わらず,だからどうしたんだ私の40は不滅です。作どんも渋々納得していました。

ボールが浮いています

 

  この日,4時間くらいでラウンドを終え,車でゆっくり1時間かけてエジンバラ空港へ到着です。レンタカーを返却して国内線の搭乗手続を済ませ,待ち時間にここでもフィッシュアンドチップスで一杯やって,17時15分空路ヒースローへ向かいます。定刻18時40分着。さすがにゴルフのキャデイバッグをロンドン市内まで持ち歩くわけにもいかず,リサーチ済みの空港内の有料の手荷物預かり所で帰国まで預けます。そうして,オヤジたちは世界最古の地下鉄(1863年開通)に乗って,いざロンドン市内へ,めざすホテルは「パーク・イン・ラッセルスクウェア」,大英博物館から歩いて行けるロケーションです。最寄りのラッセルスクウェア駅で降車,地下3階から地上に出てはみたものの,初めての場所でもあり当然のように迷います。通りを行きつ戻りつ,道行く人に尋ねたりして何とかホテルにチェックインできました。このホテルは,おなじみの「ホリデー・イン」系列のリーズナブルなホテルでした。日本の旅行社を通じて予約して,ツインルームに2人泊,朝食付きで1泊1人7000円と超安でした。ホテルの近くにはおもしろそうなバーもありましたが,大都会ロンドンのはじめての夜は,ご乱行もなく,無難に近くのインドレストランに落ち着きました。

インド料理

王立最高裁判所

 

  翌日7月10日(金),朝からの散歩も含め1日,あてもないロンドン観光をしました。通りは肌寒くても,今は真夏,我々オヤジたちは長袖ですが,道行くロンドンっ子は夏の沖縄あたりのファッションで,かなり露出して寒そうでした。観光の目玉は,当然,大英博物館ですが,ロゼッタ・ストーンをはじめとして女王様の大英帝国の略奪の歴史と,その略奪した展示物の多さに疲れ果ててしまいました。福岡市立博物館や九州国立博物館での1回の展示会の数10倍もの規模があるのです。なのに,ここは入口に有志の寄付のためのボックスが置いてあるだけで,入館料は無料でした。開館からお昼前までイヤホンのボイスガイド(日本語)で博物館内を歩き回りましたが,館内で迷って同じところに出たりで,たぶん全部は制覇できずに残念でした。昼食に近くのバーでビールとおなじみフィッシュアンドチップスで満腹になりました。その後,腹ごなしに国会議事堂(ビッグベン),王立最高裁判所,何とか聖堂にコスモポリタン美術館,果てはロンドン三越など,とにかくひたすら歩き回り,腹ごなしどころか本当に足が棒になりそうでした。私の万歩計ではこの1日で約20㎞歩いた計算となっていました。さすがに歩き疲れて,ロンドン名物の後部座席が対面になっているタクシーに頼りました。しかし,ホテル名を告げても運転手さんは知らず,その辺りの「ラッセルスクウェア」を告げましたが,発音が悪かったのか(たぶんラッセルのラはRなのにLと間違えられたんだと思います),着いた場所は全然違うところでした。結局,降ろされた場所からさらに地下鉄に乗って戻るしかありませんでした。  

タクシーに乗って

 

  この日ひとり,別行動でオヤジ行脚に参加しなかった作どんは,夕方から元気にまたひとりで本場のミュージカル「キャッツ」(もちろん英語で上演)を観に行ったりしていました。残された3人は,夕食場所を決めるためにホテル近隣を散策しましたが,なかなか決まりません。椛ちゃんはしばらくぶりの日本料理店に目がいっているようでしたが,「郷に入っては郷に従え」で,こればかりは却下です。結局,近くのホテルのレストランにて最後の晩餐を摂ることになりました。いつものように英語のメニューから適当に注文して満腹になりました。この夜が本旅程最後の夜となりましたが,昼間の遠足が祟ってすっかり疲れたおじさん3人,食後に金髪の女性がたくさんいるというキャバレーに行こうと提案する者もおらず(本当は行きたかったけれど),大人しく部屋に帰ってぐっすりでした。  

 

 

  7月11日(土)オヤジ様ご一行は,想い出とお土産で一杯になり,ラウンジでのんびりしすぎるは,出発ロビーを間違えるはで,危うく乗り遅れそうになりましたが,荷物抱えての全力疾走で,無事13時45分ヒースロー発のBA機で帰国の途に就きます。機内では帰国の喜びで何となく明るくなりました。帰りは9時間の時差を加えて日本時間翌7月12日(日)09時10分成田空港着で,ここで長い長いトランジットをします。オマケに,ここでは荷物すべて持参して税関検査をした後に,国内線に移動するのにバスに乗らなくてはなりません。不便この上ないものを感じました。福岡からだと成田経由は使えませんな。とまれ国内線搭乗手続を済ませ,また荷物を預けて,13時30分成田発で福岡着は15時30分でした。オヤジたちはいよいよ現実に引き戻され,それぞれの家路を急ぎました。翌日月曜からは浮き世に戻って,また普通の日々が流れます。  

 

  こうして,オヤジたちの長くて短かったスコットランドゴルフツアーはジ・エンドです。オヤジたちの普段の素行が超優良だったせいか,すべてのラウンドにおいて,雨という雨にも降られずに,強風を除けば穏やかな天候に恵まれて,ベストといってもいいコンディションの中でゴルフプレイを十分堪能することができました。  

 

  ゴルフの聖地セント・アンドリュース,ゴルフ好きを自称されるあなたなら一度は行ってみませんか?辛いことはあるかと思いますが,決して,後悔はさせません。

 

追 伸
  帰国して1年半余り,ひょんなことからこの紀行文を書いてみてはじめて,自身この旅行が如何に貴重な体験であったかを知りました。人に話すと,羨ましがられるというよりも「(わざわざゴルフをしにスコットランドまで行くなんて)そんなにゴルフが好きなんですか」という反応が多いのも意外でした。  

 

  当時から,私の体重は3㎏減り,ゴルフのハンデは5つうまくなりました。再びスコットランドに行くときは,リベンジです。無様なプレーはしません,たぶん,きっと(?)  

 

  さて,実は,現在あの感動(苦行?)をもう一度ということで,今度は,イギリス南部のイングランドゴルフツアーを企画しているところです。いつ実現できるのかできないのかわかりませんが,実現した折には,今回の紀行文よりもパワーアップした「イングランドゴルフ紀行」を掲載できることを夢見ています(了)。

注)次回からまたオススメの一冊に戻ります。

過去のコラム

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